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黒山田の女が40過ぎたら魔女になるってことは、話だけは聞いて知っていたけれど、子供の頃なんか、魔法が使えるなら楽しいだろうなくらいにしか思わなかった。そうか、魔女になれるなら、40歳まで結婚しないままでいいや、なんて思ったものだ――現実になってるけれどね。
ところが、ここまで厄介なものだったとは。
眠りにつきながら、ふっと思う。
今は魔女の試用期間。
完全なる悪の魔女になるか、善の魔女になるか。半端は許されないという。
(どっちつかずの魔女になってしまったら、確か、ほうきが腐って慢性便秘になるとか……)
そうだ。魔女を放棄しても、半端な魔女になってしまったとしても、慢性便秘という報いが待っているのだった。
げに容赦なき魔女道。
腐ったほうきに憑りつかれるのも、便秘も絶対に嫌だ。
とりあえず今の時点では、ほうきが勝手に魔法を遂行している。
手出しができないまま、わたしはその様を眺めているだけであるが――一体、この魔法の結末はどんなものになるのだろう。
後藤亜里沙と沢崎修司が結ばれ、八代美和が地獄を見る。
この結末は、果たして悪か善か。わたしは善い魔女になるのか悪い魔女になるのかどっちだろう。
(いや、間違いなく悪のほうだろうよ)
わたしは思う。
誰一人、幸せになる奴はいねえ。
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