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どこのアキバかと思った――今までわたしは普通に歩いていたのだが、こいつはぴったりとくっついて後ろをついてきていたということか。
ぎとぎとの目で、奴は言った。
「きっ奇遇ですねー、ふはっふはっ、ちょっとそこでお茶……」
(あれ)
わたしは驚愕していた。
今私は二つに分離している。冷徹な猛禽の目を持つ超現実的な鬼局のまなこと、なんだかふよふよと、得体のしれないものに浸食されて魂を奪われかけている部分と。
おぞましい魔法よ。
これも後藤祟り神の影響か。
わたしは一瞬、この、三重くらいに首回りがくびれ、目をぎとぎとさせて息を荒げている白鈴木氏を、可愛いと思ってしまったのだった。
(うそっ、かわいい、なんか、あれだよ……プレーリードッグ的な?)
お茶、いいですね、と言いかけた自分に驚愕し、うぞぞぞぞと鳥肌を立てたのである。
いかん。凝視してはいかん。これは異常事態だ。
(ほうきっ、マコっ、貴様なにをしやがった)
金縛り状態だ。
ふはふはと荒い息が顔にかかり、なれなれしい分厚い掌が腕を掴みにかかる。これも魔法の作用か、相手の思考が流れ込んで来る。
お茶→食事→→→ホテル
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