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その後
それから、何度か金縛りにあったが、1度目よりはひどくなかったので、なんとか耐えることができた。ただ、夢は全く同じだった。中学生でイジメを受け、首を締められる。とても怖かった。
毎日暗い気持ちだったが、引っ越せると思うと少し気が楽になった。だが、金縛りにあいたくないことと、夢を見たくないことで、ほとんど眠れなかった。
後でわかったことだが、私は最近顔色が悪く、とても様子がおかしかったようだった。金縛りにあった日に職場に行くと、みんなに心配された。後輩に、ブツブツ独り言を言っている時があって、気味が悪かったと言われた時は寒気がした。一応、会社にも事情を話しておいた。
それからしばらくして、引っ越しの１週間前、507号室の郵便受けが空っぽになっていることに気がついた。それまで周りを見る余裕も無かったので驚いた。だが、やっぱり石川さんの言ったことが正しかったんだと思った。石川さんは霊感が強く、何か見てしまったんだと。
私は最近下を向くことを止めていたが、久しぶりに下を向いて見た。すると、取り忘れたのか落ちたのか、507号室の伝票か何かの紙が一枚あった。
名前を見た。
507号室の住人は『サイトウアカリ』さんだった。
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