それは繋がってるようでバラバラで

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「・・きいてもいい? 」 「ん、なに? 」 「あんたさ。飲酒運転だったんだよね。」 翔也の顔は見ていない。 でも、表情が曇ったのは、何となくわかる。 「・・うん。」 「私、いつも言ってたよね。やめなよって。歩いて帰ろうって。」 「うん。」 「なのになんで。こうなるかもって、思ってくれなかったの? 」 「・・・・。」 「私達もう、これから先、二度と会えなくなる。遊べなくなる。話もできない。」 「うん・・。」 「・・私のこと、私の言ったこと、思い出して、ほしかった・・。」 少しだけ、翔也の方を向く。 目は合わない。 翔也は視線を落としている。 私の方を見ていない。 「いやー・・。うん。それに関しては。うん。ごめんとしか、言い様がないわ。」 翔也は、目線を合わせないまま、そう言った。 居心地が悪いのか、体勢を変えながら。 「まぁ、酔ってたのもあるし。近くだから大丈夫だろって思ったし。」 「・・ほんと馬鹿。君はそうやって、いつも考え無しに動く。」 「ごめん。ほんと。・・来世では気をつけるわ。」 あ。 いつも、冗談で使ってた言葉。 でも、その言葉は、重いな。 今の私達には。 「・・ほんと、気をつけてよね。」 「うん。」 2人の間に、白いテーブルがあって良かった。 行き場のない視線を落とせる。 やっぱりこいつは、なんの考えなしに。 私のことなんか思い出してもくれずに。 軽率に。 楽観的に。 車に乗って。 あんな状態になったんだ。 自業自得。 翔也の言う通り、奇跡なんて起きっこない。 救いようがない。 むしろ、すぐに死ぬことも無く、それどころか、ここに来れたのが奇跡だ。 生きてる時だって、散々使い果たしてたはずなのに。翔也の使いすぎのせいで、不幸になった人がいるんじゃないかって思えるくらいに。なのに、なんでまだ残ってたんだろう。 そっちの方が不思議なくらいだ。 「でもさ。」 「ん? 」 口を開いたのは、翔也からだった。 「俺さ。ぶつかった! って思った瞬間、もう終わったって思ったんだよね。」 「うん。」 「その時1番に、海佳のこと思い出したよ。海佳ごめんって。海佳ともっと、いたかったなって。」
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