それは繋がってるようでバラバラで

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帰り道、いろんなことを思い出した。 2人で歩いた登下校の道。 学校の帰りに食べたラーメン。 部活終わりまで待っててくれた教室。 アイスを賭けて点数を競ったテスト。 うるさくして追い出された図書室での受験勉強。 こそこそと恋愛相談をした帰り道。 2人で遊びに行ったカラオケ。映画館。 私が先輩に失恋したのを、4時間も一緒にいて慰めてくれたレストラン。 私が映るどの写真にも入り込んでこようとする卒業式。 久しぶりに会って、運転できるようになってた長期休み。 ガソリンがなくなりそうで、焦って笑った高速の運転。 人の家に遊びに来ては、ご飯を食べて美味しいと笑ってた何気ない日。 どれも、私にとっては、大事なことだったのに。 翔也にとっては、そんなでもなかったのかな。 飲酒運転1つで、全部消しても構わないくらい。 どうして、こうなるかもしれないと思ってくれなかったんだろう。 どうして、私が普段止めてたのに、それを思い出してくれなかったんだろう。 行き場のない疑問しか浮かばなくて、それを答えられる唯一の人は明日いるかどうかもわからなくて。 私は家に帰って、泣いた。 泣いても泣いても、病室で見た翔也の様子が、頭から消えなかった。 知識だけあるのに、何ひとつ翔也のためになることができない。 医療に片足突っ込んでしまった自分をこんなに恨む日が来るなんて、思いもしなかった。
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