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僕の言葉は毒にしかならない。それは望んだものではなかった罰。けれど、彼女を変えてしまう事は、僕が毒になってしまうように思えた。
彼女は僕を恨むだろう。けれど、美しいままで彼女はいるべきだ。そうであって欲しい。僕が触れていい宝物ではなかったんだ。それなのに、色の無い景色で、彼女は泣いていた。もう泣かせることはないはずなのに。
僕の言葉は毒にしかなれない。僕は誰も傷つけたくない。もう、一人で良い。これで漸く、誰も傷つけない、独りになれるんだ。
それでも未練がましくエゴイストの僕は、少しだけ。ほんの少しだけ、唇を動かした。残っているかも分からない口を動かした。
きれい。
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