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「ぷぎ?」
雌イノシシのププは目覚めると、熊ビーストが襲ってきた後の瓦礫の中だった。
「あれ・・・私、確か・・・人間のハンターに追いかけられてたよね・・・?!
で、何発も銃で撃たれて・・・」
雌イノシシのププは、住んでいた山に居た時の事を思い出していた。
・・・・・・
・・・・・・
ププは、3匹の瓜坊持ちの母イノシシだった。
「さあ坊や、私に付いてくるのよ。」
母イノシシのププは、瓜坊達には手厚く献身的に精一杯の愛情を注ぐ『肝っ玉母さん』だった。
父イノシシと一緒に、愉しい日々を過ごしていた。
ププは、我が子だけが全てだった。
しかし、この日が来るまでは・・・
「な・・・なんで・・・?!」
母イノシシのププは絶句した。
父イノシシが、人間が仕掛けた罠に掛かって死んでいたのだ。
瓜坊を庇って罠に掛かったのだ。
イノシシ罠を掛けた農村では、イノシシによる農作物被害が深刻化していた。
そこで、農村ではハンターを呼んでイノシシの駆除を嘆願したのだ。
「なんで・・・?なんで・・・?」
母イノシシのププは、余りのショックで呆然とした。
「可愛い私の瓜坊は?」
ププは瓜坊達の姿が忽然と消えた事に気付いた。
「坊や・・・」
母イノシシのプリンタの顔は、みるみるうちに青ざめていった。
「坊やぁ!!坊やぁ!!坊や!!坊や!!」
ププは大きな鼻を地面に近づけて匂いを嗅いだり、辺りをキョロキョロ見渡して 居なくなった瓜坊の姿を探しまくった。
「坊ぁーーー!!どこなのぉーーー?!返事してぇーーーー!!」
ダーーーーーーーーン!!
「?!!」
後ろからいきなり銃弾が飛んできて、仰天した母イノシシのププは慌てて逃げ出そうとした。
ガツン!!
ドテッ!!
「いてててて・・・」
ププは、何かに躓いて転倒して起き上がると・・・
「ええええええ!!!」
母イノシシのププは背筋が凍った。
躓いた先にあったのは、献身的に可愛がっていた瓜坊達の射殺体だった。
「坊や・・・何で・・・何で・・・」
母イノシシのププは、ショックで目から大粒の涙を流した。
ダーーーーーーーーン!!
ダーーーーーーーーン!!
キューン!!
飛んできた銃弾は、母イノシシの右頬を霞めてトロッ・・・と血が流れた。
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