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ちらりと見えた高校生の後ろ姿が、逆光で眩しかった。
自分も4、5年前はああだったとは信じがたい。
そんなことを考えたところでため息ひとつ、苦笑いの欠片さえ私には現れずに、ただただその情景をやり過ごして、エアコンの風で冷えきったソファーに身を預ける。
エアコンでは拭いきれないじめじめを感じながら、虚空を眺める。
何も、ない。
無駄な時間を繰り返し、カレンダーだけが歩みを進める。
そうやって日付でも確認しながら過ごさないと、本当に時間が経過してるのか分からなくなりそうな程、同じ毎日。
夜眠るでも朝起きるでもなく日々は訪れ、去っていく。
変化はといえば、日付と、外を歩く高校生の会話くらいのものだった。
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