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「ナナちゃんッ!」
ドアをバンッと開けて、サトコさんが飛びこんできました。お家はジェットコースターに乗ったときのように、グラグラと揺れています。
「ナナちゃん、だいじょうぶよ」
どうしたらいいのかわからなくて、ベッドのうえでボンヤリしていたわたしを、サトコさんはギュッと抱きしめてくれました。
──だいじょうぶよ。
そのあと、なにが起こったのか、わたしにはよくわかりませんでした。
ただ、目を開けていても閉じていても真っ暗な世界のなかで、サトコさんはわたしを抱きしめて、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と呪文のように繰り返していました。
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