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僕はカレンダーで学校の冬休みまで日にちを数えていると目前にクリスマスが近づいていることに気づいた。
恋人のいない者にとって一番シビアに感じる1日だ。
「ごめん、約束があるんだ」
なるべく1人でいるのを避けようと片っ端から友達に遊ぼうと声をかけてみたが誰もが予定があるからと断わられてしまった。
それなら一緒に過ごす彼女を作ろうと意気込んでみたが今からいったい誰に告白すればいいのかわからず途方にくれた。
そんなことを考えているうちにクリスマス当日を迎えた。
街の雑踏の中に歩く。
街頭の木々達はイルミネーションで着飾っている。
周りを見ると手を繋いで歩くカップルで街は溢れている。
お店もこの日を待ちわびたような良質なクリスマスソング、白い雪のツリーのオブジェを飾ってある。
サンタの衣装を着た人間が手を振っていたが僕はとても振り返す気持ちになれなかった。
恋人がいない人間にとって最も寂しさを痛感させられる、それがクリスマスなのだ。
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