クリスマスの日

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姉は社会人になってから仕事の付き合いなどで家に帰るのは遅くなった。 大人になったということだ。 僕はそれについては仕方のないことだとわかっているつもりなのだがぽっかりと心に穴が開いた気分になった。 ソファーに横になってそんなことを考えていると玄関から声が聞こえてきた。 「ただいま。ケーキ買ってきたよ。」 「あら、随分と早かったわね」 姉と母親のやり取りが聞こえる。 僕は慌てて玄関に向かった。 姉の笑顔が目に飛び込んできた。 「早めに女子会は切り上げてきた。クリスマスはやっぱり家で過ごしたいから」 「姉ちゃんお帰り。それケーキなの。デカイの買ってきたな」 もし僕に彼女が出来たら今の寂しさは消えるかもしれないが別の寂しさに覆われるかもしれない。 クリスマスはどこかしら寂しいなと思う気持ちも必要なのかもしれない。 そんな気がしてきた。 「やっぱり家で過ごすクリスマスが一番だね」 「姉ちゃん、イチゴを独占し過ぎ」 窓の外を見ると深い夜に白い粉雪が会いに来ていた
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