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優斗の家から帰った俺は、早速家にあるゲームハードを片っ端から引っ張り出した。
理由はもちろん、「ひとりごと」かもしれないディスクを挿入し、確かめるためだ。
「まずはこれだな……」
「Playplace Frontier」通称PPF。ゲームハードとしても高解像度、高速回線、大容量の三拍子揃っていながら、DVDディスクの再生や焼き直しなども行える多機能種として、最新機種ではないながらも未だに根強い人気を誇る機種だ。
「まぁ、VRには勝てねぇけどな」
おそるおそるディスクを挿入。すぐにTVとの回線が起動し、画面が映し出される。その画面に映っていたのは……
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「……なんだ、ただのDVDか」
空のDVD_ROM。優斗の読み通り、あいつの父さんが片付けをサボって置きっぱなしにしていたものなのだろう。これは明日優斗に返すことにしよう……と、ディスクを取り外したところで、違和感に気づいた。
普通なら、ディスクを取り外した瞬間にDVDのダビング画面は閉じるはずなのだ。しかし、既にディスクは取り外されたにもかかわらず、TV画面にはその画面が映し出されたままだ。
「なんでだ……?」
コントローラーをいじってみる。反応はなかった。冷や汗が頬を伝った。嫌な予感がする。
「まさか、本当に……!?」
すると突然、画面が黒に染まった。
指がコントローラーの電源ボタンに触れたらしく、PPFの電源が落ちたらしい。
「はぁ……はぁ……」
自分でも驚くほど焦燥していた。明日優斗に話してみなければならない。まだこのディスクが、「ひとりごと」でないとは確信が持てない……。
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