暑さの中を

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 「3丁目‥2丁目、あっ!あれだ」 指さす先に建物、国立保健所センターだ。 「ふぅー、やっと見つけた」と彼。  建物は閉まっている。 彼の休みに合わせ、土曜に来たからだ。 ここも土曜は休みなのだろう。 「みゆ、帰ろう」と手を引っぱるようにつないだ。 歩き回った彼の半袖シャツは背が()れている。 猛暑なのだ。 私もたまらず、コンビニに飛び込む。 「冷コー、おごってあげる。」 そう言って二人分の、アイスコーヒー。 私はS、彼はLサイズ。 「生き返るー」 半分飲み干し「みゆ、だから大好き」と笑う。 私も生き返ったよ。 アジの干物にされた気分だったもん。  ごくごく飲む彼。 私も負けずに、飲みほした。 「本当、生き返るね」 私が笑うと、彼も笑った。 カップの(しずく)が、私達の汗の様に流れ落ちる。 (のど)にしみこむ、コーヒーの味と香り。  さて、帰宅途中で彼んちに寄り道。 「今度はホットコーヒー?」 「さっきアイスだからホットにした」  
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