あなたの温もり

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 9割はがんと思ってたと、後で医者が言った。 「良かったわー、何ともない陽性よ。でもついでに全部とったから」 何を?とか聞けない。 子宮はガンじゃないから、取ったわけでもなさそう。 多分、内膜全部を取ったなぁ。 たった2週間の入院。 あなたは何度も会いに来てくれたのに、何故かな? 離れてた距離が長く感じる。 時間まで止まったみたい。 退院して帰宅すると、あなたは吞気(のんき)にインコと遊んでる。 「お帰り。迎えに行けなかった、コイツら帰んないんだ。 ベランダの花にも水やっといたから」 私は荷物も放り出し、彼に抱きついた。 彼の頭や肩のインコ達が驚き、宙を旋回(せんかい)する。 私は腕に抱かれたまま、顔を上げインコ達に「ただいま!」と言った。 宙のインコ達が鳴き交わす、まるでお帰りと言う様に。 「どうしたの?寂しかった?」 そう、私は寂しん坊です。おまけに甘えん坊。 あなたの温もりを感じる、すごくホッとする。 「ガンじゃなくて良かったな」
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