19人が本棚に入れています
本棚に追加
幸せのかたち
ねぇ、あなたは気付いてた?
初めて会った日の事を。
あの時からあなたが好きだった、私の気持ちを。
私はまだ中学。
気付いたら勝手に上がり込んで、毎日の様に私を弄ったね。
私は暗くて下を見たまま、固まって。
だから笑わそうとツンツン触れて鼻をつまんだり、それどころか
スカートをめくろうとしたり。
その度に母が、もの凄い顔で睨んでた。
アハハ!
でもあなたの笑い声で、一緒に笑える自分に気付いた。
弄られても、あなたが来るのが楽しかった。
自然と好きになってた・・。
だから来なくなった時、どれだけ寂しかったか分かる?
道ですれ違っても言葉は出ない。
「久しぶり!元気にしてた?」
せっかく声をかけられても、会話にならないから挨拶して、
あなたは自転車で走り抜ける。
徒歩の私は、その背を見るだけ。
追いかける事も出来ないまま。
もしあの時、大声であなたを呼び止めたなら、どうなっただろう。
不思議。あなたと居た時間は、たったの2年半。
でも、出会って会えない時を含むと10年近くなる。
離れてた時間の方が、はるかに多い。
中学の私の恋心は、恋に憧れて本当の恋と言えただろうか?
##
最初のコメントを投稿しよう!