幸せのかたち

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 母は富農出身で、お金の心配をしたことが無い。 働きに集団就職。 給料は、ほぼ化粧品と服と着物に消えた。  彼の家もややこしいが、私の父の実家もややこしい。 いわゆる成金で2代目の後妻が、正妻を追い出して居座った。 父は祖父母に育てられた。 後妻も連れ子だったから、居場所が無い。  しかもこの後妻、もと水商売。 派手で、金遣いが荒い。 次々と畑や山、分家の別宅まで売った。 正妻はこじんまりした家をあしらわれ、その家同様に こじんまりした大人しい人だった。 だから当然、何も言えない。 後妻にメロメロで家を食いつくす2代目の夫に何も言わない。  父は逃げる様に海を渡り、大阪へ。 そこで母と出会い3日後に結婚。 父のひとめ()れらしい。 好き放題に金を使う義母を重なるように金遣いの荒い母を、 父はどうして好きになったのだろう。
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