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コーヒーの香りとあなたの温もり
無性にコーヒーを飲みたくなることがある。
香り高いコーヒー。あなたの笑顔。
不思議ね。コーヒーを準備すると、いつもあなたの笑顔が
思い浮かぶの。
ミルが豆を挽く音。香ばしい香りが広がる。
そして、つい二人分挽いてしまう。
でも大丈夫。私、コーヒー好きだもん。
2杯でも3杯でも、飲んじゃうから。
余りは冷蔵庫で、冷コーにすればいいもんね。
つまりアイスコーヒー。
インコ達が呼び交わしながら、寄って来た。
トコトコ・・トコトコ。足音を立てて寄ってくる。
『なにしてるの?』
そんな顔で私を見て、首をひねる。
初めてミルを使った時も、音に怖がるよりも
『なに何?』と首を傾げたインコ達。
興味深々。
私はマグカップを持ち「飲む?」と冗談で聞いてみる。
『いらなーい』とインコ達は、スタンドへ飛んで行った。
ミーコは居眠り。起きそうもない。
天国のあなた。
あなたもそっちで、コーヒーを飲んでますか?
温かな笑顔が浮かぶ。
なるべくゆっくりゆっくり、そちらに行くので待っててね。
私、やりたいことが、まだまだあるの。
散りゆく桜吹雪に泣いた夜。
でも1年後の桜の花が、私に勇気をくれた。
時は流れる。
あなたの止まった時間は引き戻せない。
でも、泣いた涙も桜色の風がぬぐってくれた。
ミーコ猫とインコ達に、ひっかき回されるような毎日。
いつもドタバタ。
でもミーコを残してくれたおかげで、猫友が出来た。
猫カフェオーナーと、知り合えた。
私、友達が増えたよ。
支えてくれる友達もいるよ。
あなたに会う時、自慢してやるんだから。
幸せになるよ。でも幸せは目に見えない。
まるでコーヒーの香りの様に。
でも、確かにそこにある。
見えないけれど、コーヒーの香りと温もりの様に。
END。
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