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のは、ゲームスタート時と言う時期であったのは、何故なのだろう?
私はセシリアーナ=マリウス=カルナーダ。愛称で〝セシル〟と呼ばれている、ディルナ帝国の第三皇女である。
皇女とは言え三女であり、母は元伯爵令嬢で身分はそれほど高くなかったが、側妃にまで上り詰めた。しかし、セシル自身の『皇位継承権』は第七位で、皇位には縁遠い立場だった。
この世界は、前世の私がバカみたいにハマっていた乙女ゲーム『花咲く楽園で君と』と言う、些かアレな題名のゲームの舞台の〝ディルナ〟と言う豊かで平和な帝国だった。
ってゆーか、何でいきなり、この世界に転生した上、前世の記憶が甦ったのかわからないが、気がついたら、そうだったのだ。
まぁ、そうなってしまったものは仕方ない。とは言え、ゲームの中でのセシル皇女は完璧モブで、登場シーンは背景扱いでしかない。
しかし、ヒロインでなかったのは残念だが、『破滅フラグ(婚約破棄)のある悪役令嬢』よりは幾分マシである。
ゲーム中の設定では、ストーリーに絡むことなく、婚約者と母方の伯爵家を継ぐ、と言うことだった筈。つまり、それなりに幸せな結末を迎えられる設定だ。
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