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まだ若干、心配げな表情をしているシャルを、安心させるように微笑んで、彼の後ろ姿を見送った。
そして。彼の後ろ姿が完全に見えなくなってから、思わず『フッ』と躰から力が抜けた。思った以上に緊張していたようだ。
我知らず、俯いて小さく溜め息を吐いて、過ぎ去りし過去に思いを馳せた。
-シャルが好き。例え、彼が愛してくれたの
が『現在の私』ではなくても-
本当に、前世の記憶………それも、役にも立たぬ記憶など、永遠に戻らなければ良かったのに。
思い出さなければ良かった、こんなに『辛く哀しい想い』をするなら……………!
-私は今、心底から『セシル』になりたい。
そう、希っていた-
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