シャイード王子、再び

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 セシルとて皇族だ、国の為になる〝政略結婚〟は覚悟の上だったろう。だが、その前に『シャルとの婚約(縁談)』が持ち上がり、トントン拍子に決まった。  今更〝同盟の為の政略結婚〟など、承諾出来るはずがない。まして、セシルを溺愛するシャルならば、尚のこと。  国の為にも・臣民の為にも、エンダールとの〝同盟〟は願ってもないことだと、痛いほどわかりきっていたとしても、愛する人との愛ある結婚を諦めたくはなかろう。  だが。それが、皇帝陛下からの勅命であったなら〝否や〟を唱えることは出来ない。実の娘であるセシルであっても、それは同じことだ。  まぁ、娘達を溺愛し、その幸せを望む皇帝が『エンダールからの正式な申し入れ』があったとしても、それを承諾するとも思えない。  ただ『元老院』は国益を取り、〝可〟と言いそうだ。だが、帝国憲法では貴族同士の婚約は、『誓約』とも言える正式なる契約だ。
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