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「その音楽はね? 優しくて、切なくて、聞いていると胸が一杯になる……そんな幸せな音楽なんだ」
愛しそうに語るファルに、ユアンは思わず口を開いてしまっていた。
「そんなもんがあるなら、俺もいつかお前と一緒に聴けたらいいな」
その言葉に一瞬きょとんとした表情を浮かべたファルは、その後すぐに泣きそうな、それでも嬉しそうな微笑を浮かべ――
「うん! いつか二人でそれを聴けたらきっと、泣いちゃうくらい幸せな気持ちになると思うよ!」
――少女が密かに胸に抱くそれは、優しく切ない幸せのメロディー。
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