「日用品」「音楽」「猫」

3/3
前へ
/3ページ
次へ
「その音楽はね? 優しくて、切なくて、聞いていると胸が一杯になる……そんな幸せな音楽なんだ」 愛しそうに語るファルに、ユアンは思わず口を開いてしまっていた。 「そんなもんがあるなら、俺もいつかお前と一緒に聴けたらいいな」  その言葉に一瞬きょとんとした表情を浮かべたファルは、その後すぐに泣きそうな、それでも嬉しそうな微笑を浮かべ―― 「うん! いつか二人でそれを聴けたらきっと、泣いちゃうくらい幸せな気持ちになると思うよ!」  ――少女が密かに胸に抱くそれは、優しく切ない幸せのメロディー。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加