一日目

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一日目

目が覚めるとこの部屋にいた。しっかりと敷かれた布団そして枕。上からは薄いタオルケットのような物も掛けられていた。部屋のリモコン式ドーム型の照明は付いたまま。頭はボーッとしている。昨日はクリスマスイブで同期と遅くまで飲んでいた。周りはカップルばかりだったがそんなことはお構い無し。お酒はそんなに強い方ではない。久しぶりに会った同期と話が弾んで飲み過ぎてしまったことは微かに覚えている。部屋を見渡しても全く見覚えがない。同期の名前を叫んでみたが部屋に(こだま)するだけであった。 ふと壁の方に目をやると、そこには「壁には今日からここがお前の部屋だ」という張り紙があった。文末には『サンタ』という名前なのか?なんなのかよく分からないものが記述されていた。その日はちょうどクリスマスだったのでサンタクロース気分か?と思い舌打ちをした。パソコンで打ち込んだのだろう機械的な文字だ。「アイツ変な事やりやがって!」ポケットから携帯を取りだそうとするがない。というか財布もない。あるのは昨日着ていた服のみだ。とりあえず何処だか分からないが部屋を出ようそう思い立ち上がった。 その時、部屋の中央のちゃぶ台の上に変な紙があることに気が付いた。その紙にはこう記されてれていた。 --------------------------------------------- ・一日一度の食事は保障する。 (但し不手際があった場合はその限りではない) ・毎日一つ好きな物をメモ用紙に記入し、入口のポストに正午までに投函しろ。 (こちらが必要無いと判断した場合を除く) ・15時から5分間だけ扉を解放する。 そこに食事、記入したものを置いておく。 --------------------------------------------- ドラマの脅迫状とかで見た事のある、新聞の文字を切り抜いて貼り付けた紙。張り紙の文字とは全く違う事に思わず笑ってしまった。途中で面倒になったのだろう。 張り紙の上にはあまり見慣れない丸い白色の24時間表記の壁掛けは、10時を差していた。とにかくこの部屋出よう。出入口らしい扉の方にトボトボと歩いていく。昨日の酒のせいか足元はフラフラしていた。         
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