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銀色の丸いドアノブに手をかけて回して見たが、押しても引いても開く気配が全くない。扉は頑丈そうなグレーの鉄製の物、下部にはポストがある。バンバン叩いてみる。近くに誰か居れば反応がありそうなものだがそれもない。次に大きな声で叫んでみたが部屋に響き渡るだけで反応がない。ポストから外を覗きこもうとしたが見えない。全く現状が把握出来ない。
一度冷静になるために水を飲むことにした。ドアから反対側には流し台があり蛇口を捻る。水は出るようだ。サーっと流れる水を手で掬い取り口元へ運ぶ。水がゴクゴクと自分の胃の中へ入っていく音が聞こえるそれほどにあたりは静かで何の音も聞こえない。
少し酔いが覚めてきた、、昨日の事を思い出そう。昨日は昼過ぎまで寝ていた。だらだら起きて食事を取り、別にやることがなかったのでレンタルしていた脱獄物の洋楽を観ていた。ガッツリ見いってしまい夕方になった頃、携帯が鳴り出ると同期からだった。特に親しくしていたワケでは無いが、暇を持て余していたので飲みにいこうという誘いにのった。チェーン店の居酒屋に入りダラダラ話をしていた。
5年ぶりに会ったので話は弾んだ。大概久しぶりに会う特に親しくも無い友人は、セールスの話か?お金の話か?このどちらかされると思っていたが両方ともなかった。まぁされた所でどちらも無理。こっちの方がお金を貸して欲しいぐらいだ。ポストには督促状の類いでパンパンなのだから、、、
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