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「フィッシュはコートで決まりだな。アニューはどうする。」
「俺はおりる。」
アニューは腕を組み、スカした顔をして煙草をふかした。
「それはダメじゃ。言い出したのはアニューだから、アニューが居なければこの作戦は成功せんぞ!」
「そうだよ。もとはと言えばお前のクリスマスツリーが始まりだろ。ちゃんと参加しろ!」
「俺はゴミも貰って困るものも何も持ってない。」
「あるじゃねぇか、その味噌煮パスタが。」
ミッチェが煙草の煙を吐きながらそう言うと、三人は一斉にフィッシュの食べている味噌煮込みパスタを見た。
「ミッチェ、よく聞け。
確かに見た目はグロテスクだ。マスタードが混ざった味噌のスープは地獄の沼のように泡を吹き、麺はその沼に落ちた罪人が助けを求める腕の様じゃ。そしてここにぶち込まれたザリガニは人を喰らう悪魔の化身のように見える。確かに見えるが、これはゴミではない。現に今、わしが食しておるじゃろ。」
「で、うまいのか?」
「まずい。」
「じゃあ、ゴミ決定だな」
「ちょっと待てミッチェ。なんでフィッシュがまずいといったらゴミになるなんだ。」
「いや、俺もまずいと思う。見ただけでまずそうだ。食いたくない。だからゴミ決定だ。」
「世の中には、この味噌煮込みパスタが好きだという奴がいるかもしれねぇ。現にフィッシュだって毎日注文するだろ!」
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