へびいちご、クリスマスを迎える

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「けど、どうやって恨みを晴らすんだよ。めんどくさい事になるのはごめんだぞ。」 「もう昔みたいに暴れるのは体力的にもムリだ。」 「わしにいい考えがある。サンタの代わりにプレゼントを配るんじゃ。」 「プレゼント?」 「ああ、もらっては困るような、どうしようもなくいらないゴミのようなものを配るんじゃ。フロームサンタって。わざわざ書いてな。どうじゃ、いい考えだろ!アニューいつもの味噌煮込みパスタ、今日はちょいカラエビのせでにしょうかな。」 フィッシュはいい終ると同時に悪ーい顔をして、イヒイヒイヒと笑った。 「けど、ゴミなんて、配るほどイッパイはないぞ。」 アニューはぐつぐつと煮えていた味噌煮込みパスタにマスタードを適当に入れるとザリガニの水槽から1匹を捕まえて、その鍋の中に放り込んだ。 「俺のところだって、家で出るごみは卵の殻くらいだな。」 ミッチェは飲みかけのコーヒーを少しずつ飲みながら言った。 「わしのところもじゃ・・・気が付くと黒田が綺麗に後片付けをしてくれているからな・・・」 「フィッシュはそのへんてこりんのコートをプレゼントにしたらいいだろ。」 「なんでじゃ!これはゴミではないぞ!」 「ゴミではないけど、もらって困るようなものだろ。」 「失敬な!これは今年わが社が社運をかけて制作したこの冬一押しアイテムじゃ!」 フィッシュは怒って、アニューがテーブルに置いた味噌煮込みパスタの蓋を素手で開け、熱くてどうしようもなかったが、テーブルが狭すぎて置くところもなく、かといって落とすわけにもいかず、暴れながらその蓋をミッチェに渡した。 「けど、それを配ったらみんながそれを着るだろ。そしたら、今年はサンタの真似をするやつは多少減るだろ。」 熱々の蓋を受け取ったミッチェは大暴れしながらそう言うと、今度はその蓋をアニューに投げた。 「そうだな、みんなが着て、フィッシュのへんてこりんコートのブームが来るかもよ。」 熱々の蓋を受け取ったアニューは、それを綺麗に洗い、ピカピカに磨き上げて棚へしまった。
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