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ここは雪と氷で閉ざされた世界。 俺はそこの王子。 兄弟はいないから、自動的に時期国王の将来が待っている。だから、婚約者もいる。親の決めた、お互いに愛なんか微塵もない婚約者。 時期国王と決まってから、もう何もかもどうでもよくて、全てにおいて諦め入ってたから、なんの感情も湧かない女が婚約者でも、まぁ仕方ないと、どうせ俺には何も出来ないし、とか思ってた。 だけど、そんな俺にも 一度だけ行ってみたい世界があった。 氷と雪だけのこの世界とは違い、四季というものがあり、毎日のように、晴れたり、曇ったり、雨が降ったり、雪が降ったり、暑かったり、寒かったり、そんな変化を感じられる世界。 箱のような建物が沢山あり、沢山の人間が所狭しと、慌ただしく動き回る。 こことは全く違う世界。 俺は、決められた未来が来る前に、その世界を体験したいと、何年も時間を掛けて、両親達を説得した。 そして俺はついに、1ヶ月という期限付きで、その世界に行くことを許された。
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