クロカミサマの噂

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1、自分の髪の毛を1本用意する。 2、髪の毛に向かって、復讐したい相手の名前と、自分がされた仕打ちを唱える。 そして、「自分の恨みを晴らしてくれますように」と唱える。 3、ビルなどの高所に行き、「クロカミサマ、どうか私の無念をお晴らしください」と唱えて髪の毛を飛ばす。 「えー、それって呪いの儀式じゃん。」 「うん、でも、これ本当に効くらしいの。呪いをかけられた人は不幸になるらしい。」 「でも、そういう儀式にありがちなのだけど、不幸になるらしい、ってのが漠然としているよね。どう不幸になるかって実例ってほとんど挙げられてないじゃん?」 「うん、内容ははっきりとはわからないけどね。でも、これはホンモノらしいよ?」 正直、真雪はどうして美空がこんな話を始めたのかがよくわからなかった。どちらかと言えば美空のほうが、こういうおまじないや占いなどに関しては懐疑的で、彼女は合理的な人間だと思っていたのだ。 家に帰ってからも、真雪はクロカミサマのことを考えていた。 あの美空にホンモノだと言わしめた「クロカミサマ」の噂。 否定する自分と同時に試してみたいと思う自分が存在していた。     
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