春の日を待ち侘びて
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止まれ。止まれ──。 私は手の甲を、必死にまぶたに押し付けた。 こんな顔じゃダメだ。 もうすぐ陽にーちゃんが来る。 そしたら、言わなきゃいけない。 ふわっとした風が、プランターの花を揺らしている。 だけど、ぼやけてよく見えない。 私は天を仰いで、待ち続けた時間に別れを告げた。 『卒業おめでとう』 【end】
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