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中学生になると、好きになってしまったひいき目を抜きにして、陽にーちゃんはかっこよくなった。
その証拠に、陽にーちゃんはたいそうモテた。
もちろん私は面白くなかった。
しかし、陽にーちゃんはどうやら友達と部活で一生懸命になっている方が楽しかったらしく、特定の彼女みたいなものが出来ることはなかったため、私の恋心は辛うじて繋ぎ止められていた。
それでも陽にーちゃんが大人っぽくなるに連れて、周りの人たちも大人っぽく見えて、自分がとてもちっぽけに感じられた私は物怖じして行動を起こせなくなる。
──思えばこの頃から、私は順番待ちがクセになってしまった。
声をかけるのも陽にーちゃんの友達の後。
バレンタインのチョコを渡すのも先輩の後。
……そんな愚図な私だから、傷付くことも起きた。
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