10人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
震える手で、なんとかマウスを拾い上げた。
その拍子に中央のホイールを回してしまう。
少女の遺体が、画面いっぱいに表示された。
「うわあああああっ!」
濁った黒目がモニター越しに睨んでいる。
その手前に、握りしめたままの少女の手が映り込んでいた。
指のあいだには大量の毛髪が挟まっている。
どれも短く、黒かった。
人差し指の爪が剥がれ、辛うじて引っかかるようにぶら下がっている。
首を吊るとき、縄を掻きむしったためだろうか。
耐え切れず、口を押さえた瞬間だった。
最初のコメントを投稿しよう!