1 ウソだと言ってよアケチィ

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違う味でも、もちろん美味しい。 でも大好きだったあの味は、もう二度と食べられない。 どんなに仕事が忙しくても、嫌な事があっても、ヨーグルト味のガブリッチューが全てをふっとばしてくれた。 いつもなら、こうやって食べてれば幸せになれるのに……。 どれだけ噛んでも味わっても、悲しみが消えてくれない。 挙句の果てには、涙まで込み上げてきた。 お菓子のことで泣く大人なんて……中々終わってる……。 自嘲しながらも黙々と食べ続け、泣き続ける。 明日が休みで本当に良かった。 正直こんな状態じゃ、仕事なんて手につきそうにない……。 「お゛いしぃ……」 鼻をすすりながらガブリッチューを食べながら、もう片手にスマホを持つ。 そう、明日は休みだ。 遠出したら、まだ在庫が残っているお店を見つけることができるかもしれない。 もう終売は終売だけど、諦めたらそこで試合終了。 やっぱりまだ私、ヨーグルト味を諦められない……! ガブリッチューを噛んで噛んで、噛み締めて。 悲しみに負けないよう心に美味しさを補給しながら、地図アプリで店舗検索をはじめる。 お菓子を販売しているお店を、片っぱしからチェック。電話番号が載っている所は、明日すぐ問い合わせできるようにスクショ。     
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