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違う味でも、もちろん美味しい。
でも大好きだったあの味は、もう二度と食べられない。
どんなに仕事が忙しくても、嫌な事があっても、ヨーグルト味のガブリッチューが全てをふっとばしてくれた。
いつもなら、こうやって食べてれば幸せになれるのに……。
どれだけ噛んでも味わっても、悲しみが消えてくれない。
挙句の果てには、涙まで込み上げてきた。
お菓子のことで泣く大人なんて……中々終わってる……。
自嘲しながらも黙々と食べ続け、泣き続ける。
明日が休みで本当に良かった。
正直こんな状態じゃ、仕事なんて手につきそうにない……。
「お゛いしぃ……」
鼻をすすりながらガブリッチューを食べながら、もう片手にスマホを持つ。
そう、明日は休みだ。
遠出したら、まだ在庫が残っているお店を見つけることができるかもしれない。
もう終売は終売だけど、諦めたらそこで試合終了。
やっぱりまだ私、ヨーグルト味を諦められない……!
ガブリッチューを噛んで噛んで、噛み締めて。
悲しみに負けないよう心に美味しさを補給しながら、地図アプリで店舗検索をはじめる。
お菓子を販売しているお店を、片っぱしからチェック。電話番号が載っている所は、明日すぐ問い合わせできるようにスクショ。
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