1 ウソだと言ってよアケチィ

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ピンポーン。 寝てしまった私を、ドアホンのチャイムが呼び起こす。 反射的に顔を上げ、自分の失態に気付いた。 ──しまった、寝落ちした!! ヨーグルト味探しのため早起きしようと思ってたのに、早速やらかすとか……!! 心の中で嘆きながらも、私を起こしてくれた来客をドアホンモニターで確認する。 配送業者よ、あなたが救世主(メシア)だったのか。 言いたいセリフは心の中に留め、ドアホンごしに応対する。 何か頼んでた通販あったかな……? 起きたての寝ぼけ頭から、思い当たるフシは出てこない。 とにかくさっさと荷物を受け取って、とっとと出かける準備をしなくては。1分1秒を争っているのは、配送業者も同じだろうし。 私は顔(というかヨダレの跡)だけ鏡でチェックして、手櫛で髪を整えながら足早にドアへ向かった。 そして1分もかからずに、荷物受け取り完了。 ちなみに配送業者(メシア)は、なかなかレベルの高い配送男子だった。 まあ今はそんなことどうでもいい。準備をしろ出陣だ。 ──と、順調にできたのはここまでだった。 「……ええええええ!?」 部屋へ戻りつつ、受け取った荷物の依頼主を見て……思わず声をあげ、立ち止まる。     
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