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どこにでもあるような噂だった。
クラスの女子生徒達が話している他愛もないような学校怪談。
「ねぇ、先生は知ってる?」
「何を?」
「学校の怪談!」
ニコニコと話し始める生徒達。
噂はなんともありがちなもの。
『夜の学校を歩いていると、教室から聞こえてくる女子生徒の泣き声。』
「で?」
ついその先を聞いてしまった。
「それだけだよー!マジ、怖くない!!先生も気をつけてねー。」
軽い感じで話されると怪談も全く怖くない。教室で泣く声、歌う声、動く石像。
いつの時代も変わらない、噂だった。
この日、学校の見回りをする羽目になるなんて思いもしなかった。
放課後、部活終わりの生徒を見送り職員室に戻ると本日の見回りをするはずの先生が謝りながら『変わってくれないか』と言われて快く引き受けてしまった。
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