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あの人とあたしの今
火照った頬を
冷え切った両手でそっと触れた
あの人のコトバは
こころのど真ん中にぐさっと刺さる
冷たくて鈍った痛みのその次に
内側からほんのりと温かなモノがひろがった
だからあたしの頬はきっとすっかり林檎のようだ
あの人の瞳を見つめられるだけで
あたしはあたじゃなくなってゆく
けれどもそれは心地よい
あの人のコトバはあたしを狂わせる
それは心地よく
手を伸ばし
彼方へと夢を馳せて
少し潤んだ瞳てあたしを捕らえる
前をまっすぐ見つめるその瞳奥は熱でうかされている
あの人のコトバは
こころのど真ん中にぐさっと刺さる
苦しくてもすぐに温かにかわる
あの人は笑顔で言う
だから僕と共に行こう
そう言って伸ばされた手のひら
あたしはおもむろにそっと手を添えた
火照った頬は恥ずかしそうに緩まった
さあ参りましょうか
何処へでもーー
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