「大丈夫だよ」

2/3
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
舞は強くて優しい子だから、皆から頼りにされていた。困った時の舞頼み、みたいな感じに。 それでも、舞は私以外から頼まれても、軽くあしらってしまうだけだった。 あしらいが上手かったから、やっぱり困ったことがあると毎回舞は頼られてるけど。 「璃子ちゃん、良かったね」 「え、なにが」 ある日突然、舞が私にそう言ってきた。 完璧で、可愛らしい笑顔で、そう言ってきた。 「ふふふっ……もうじき、わかるよ」 鈴の音の様に軽やかで妖しげな声が、私の胸の中へビー玉みたいに滑り落ちていくみたい。 カランコロン。 カランコロン。 何故か焦燥感に煽られて、何故だか私をいじめた奴らが心配になった。 なんでだかは、解らないけれど。 ただ一思いに、そう、思った。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!