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舞は、あの日からも私が不安な事を普通な顔して言い当てた。
テストの点数でお母さんに叱られている事とか、お気に入りの本が失くなってしまった事とか。
その他色々。
「璃子ちゃんが頼ってくれないと、凄く不安になるんだ」
それはきっと、寂しいからだと思ったんだ。
でも。
「璃子ちゃん、一人で抱え込むと大変だから、多分誰かに相談すると思うの。
で、その誰かに相談して仲良くなって、私には見向きもしてくれないんじゃ無いかなって考えると、怖くて怖くて堪らなくなるの」
目に涙を溜めながら、舞はそう言った。
「大丈夫だよ」
私は、何故かそう、口走っていた。
なんで、私は気付かなかったんだろう。
──舞は、とっくの昔に、大丈夫なんかじゃなかったのに。
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