脇役

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脇役

思えば子供のころから、いつも不満を抱いていたように思う。 要領が良くて、華がある妹。 彼女を見た大人は、たいてい笑顔になる。 『まあ、なんて愛らしいお嬢ちゃん』 直後に、後ろに張り付いている私を見つけて目を泳がせる。 『……控えめな……そうね、奥ゆかしいお嬢ちゃん』 〝控えめ、奥ゆかしい〟 それらが誉め言葉なのかどうかは知らなかった。 けれども私の存在が、目の前の大人を困惑させていることくらいは分かった。
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