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香が切なそうに井上を振り返る。熱に浮かされた茶色の瞳は、少なくとも今この時だけは、世界で一番美しい人が自分を、自分だけを愛してくれているのだと夢見させてくれる。
きれいな唇が薄く開いて、ピンク色の舌が覗く。誘われるまま、井上は香に口づけた。
香はいつも、繋がっている最中にキスをねだる。それがあんまり可愛くて、井上は気が狂いそうになる。
熱がこもった口内をメチャクチャに犯す。香の腰使いだけじゃ足りなくなって、下から激しく突き上げる。それだけじゃ足りなくて、両手で香のイイところを責め立てる。
「んぅ、んん、ふぅっんんん!」
香の限界が近い。蕾がきつく締まって井上の幹を責め返してきた。
井上ももう堪えられそうになかった。糸を引きながら唇を離し、イクよ、と囁いてから、乱暴に体を動かしてまた香を四つん這いにさせた。
そこからは無我夢中だ。なにも考えずにとにかく腰を激しく打ちつけた。そしてあっという間だった。
香が大きく上体を反らす。
「……あ、あ、あぁっ! イクぅ……」
香の声に促され、二人が達したのはほぼ同時だった。香が絶頂して井上を締め上げ、その直後に井上も低く呻いて香の中で達した。
何度も抱いているのに、今日も目の前がチカチカするほど強烈な絶頂だった。
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