誰かが隣にいてくれる

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 お腹がいっぱいになったら眠くなった、という蓮を、成瀬は無理に学校へ誘わなかった。  蓮の肌のつやが、あまり良くなかったからだ。  連日の夜遊びで、完全に体が夜型になってしまっている。 (それに、私の朝食を残さず食べてくれた事で充分だ) 「携帯の番号をここに書いているから。何かあったら、連絡しなさい」 「は~い」  おやすみなさい、と再び寝室に消える蓮を笑顔で見送ると、成瀬は時計を見た。 「やばい、遅刻だ!」  成瀬は急いでタクシーを拾い、学校へ走らせた。  道路は、やけにすいている。 「良かった。何とか間に合いそうだ……」 ……今日は、日曜日だった。
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