誰かが隣にいてくれる

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「記念写真、撮ろう。はい、チーズ」  スマホで写真まで撮る蓮の浮かれようを、成瀬は微笑ましく思った。 「さあ、もう寝なさい」 「は~い」  灯りを消して、寝室は闇に包まれた。  腕枕のせいで不自由な成瀬だったが、しばらくして蓮の規則正しい寝息が聞こえてきた時は、胸が温かくなった。  この少年の孤独を、少しでも癒すことができた。  このまま、非行を止めてくれればいいが。  根は素直な子なのだ。  そんな事を考えるうちに、成瀬もまた寝入っていた。
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