誰かが隣にいてくれる

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 もうすぐ、バレンタインデー。  クラスの女子が、誰にチョコを渡すか、などと昼休みに賑やかに話していた。 「吉井ちゃんはいいよね。本命がいるから」 「ユッコだって、好きな人いるじゃん」  そんな会話を、窓際の席でぼんやり聞いていた蓮だった。 (幼いなぁ。ガキだよ、ガキ) 「成瀬先生、どうする?」 「2組の女子は、担任には渡さない、って言ってたよ」 「お金の無駄だ、って」  成瀬が会話の中に出てきた途端、蓮の耳は澄まされた。
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