誰かが隣にいてくれる

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「残念だけど、洋介先生はもう売約済みだから」  突然輪の中に入ってきた蓮に、女子はみな目を丸くした。 「八神くん」 「どういうこと?」 「俺の先生に、ちょっかい出すな、ってこと」  そう言うと蓮は、以前スマホで撮影した画像を示して見せた。  すき焼きを一緒に食べた晩、同じベッドで腕枕をして寝てもらった時のものだ。 「え……」 「う、嘘!」 「きゃ~ッ!」  また俺は、こんな子どもじみた真似を。  確かに一緒に寝てもらったけど、この晩は結局何もなかったんじゃないか!  先生は、洋介先生は、今まで触れてきた大人とは違う。  チャンスがあれば、俺を食らって骨までしゃぶろう、なんて薄汚れた奴らとは、全然違ってたんだ。
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