誰かが隣にいてくれる

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「誰? この人」 「知らない」  空とぼける蓮に近づくと、成瀬はその腕を無理やり若者からもぎ取った。 「帰るぞ!」 「ヤだ」  踏ん張る蓮をタクシーに無理やり押し込んだ成瀬は、表情を引き締めた。 「子どもは寝る時間だ」  ち、と舌打ちする蓮。まるで反省の色がない。  タクシーが走る間、成瀬は蓮に散々お説教をした。  右から左に聞き流す蓮と解っていても、言わずにはいられなかった。
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