誰かが隣にいてくれる

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 蓮は、賢かった。  勉強とは違った、頭の回転の良さを持っていた。  だからこそ、このまま裏社会へずるずると引きずり込まれていくのを見るのは忍びなかった。  何とか救ってやりたかった。  苦い顔をして黙ってしまった成瀬に、蓮は軽い口調でこう言った。 「大体さ、好きな人とセックスするなんて限らないじゃん」 「好きでもない奴と、寝るのか?」  そんな成瀬に蓮は横を向くと、ぽつりとこぼした。 「セックスの後、隣に寝てくれるのがいいんだ」 「八神」
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