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「んじゃあ、頼むよ、俺何時でも空いてっから。浜田さんの都合に合わせるって、言っといて。今日はサンキューな」
橋村が居酒屋を出てから、上機嫌で去っていく。
田川はそれを見て、軽く手を上げて応えた。
浜田嬢は、自分の契約者だった訳だが、それでも彼女が充たされていないのは変わらない。
それをもし、橋村が埋めてくれるなら。
これ以上なことは無い。
まるで自分の娘を嫁に出すような気持ちで、田川はいた。
何となく、笑っていた。
不意に、メールのバイブ音が響く。
件名:りょうさんへ
私、愛莉って言います。名古屋住みの19歳です。
舐め犬として活動してるってきいて、メールしてみました♡
男の人と、全く経験ないんですけど、そういうのに興味があって…
りょうさんは、名古屋に来る事ってありますか(〃ω〃)
もし来ることがあれば、是非お願いしたいです((。´・ω・)。´_ _))ペコリ
「…」
今どきの女子は、こんな感じなのか、と田川はメールを読みながら思う。
名古屋支店への出張は、確か同じ部署の塩見が嫌がっていたような気がする。
件名:初めまして
愛莉さんですね
男性との経験がなくても大丈夫ですよ。
僕が優しく教えてあげられます。
挿入して差し上げることが出来ませんので、それだけはご了承ください。
名古屋に出張の際はご連絡します。
りょうより
メールを送信しながら、ふと、悲しそうだった浜田嬢の顔を思い出す。彼女は強かだ。きっと愛を手に入れるだろう。
明日、塩見に言ってみよう、そう思いつつ、妻の待つ自宅へと帰る、田川であった。
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