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12/10・交通事故と放課後の宇宙人
星川 周は基本的に誰からも好かれるような人間である。
通常装備が真顔で初見だと話しづらい雰囲気があるけど、一旦話をしてみればその印象はガラリと変わる。星川周は話を聞くのが上手く、冗談は通じるし、最後にはニッコリとまではいかないけれど笑顔だって見せる。誰にでも平等で、誰にでもその淡い笑みを向ける。成績は良くて、スポーツだって別に苦手って訳でもない。詰襟の学生服は違反無く着られていて、染髪をしていなければ、耳にピアスなんかも空けていない。
そんな模範的優等生だから生徒会なんかにも入っていて、その上、顔が平均よりも整っていた。中性的なその容姿は女の子に好感を持たせる。星川周がもっと王子さま的性格をしていたら、今よりもさぞモテていたことだろう。
全部ぐるっとひっくるめて優等生的な彼の魅力は多くの女子生徒を惹きつけ、特に一部の優等生的な女子の間で密かではあるけれども確かな人気を誇っていた。バレンタインにいくつかチョコを貰っていたけど、義理より本命の方が多かったんじゃないかな。
私から見た星川周は、まさに神様にエコひいきされてる人間、だった。だってあんまりにも出来すぎている。神様に「二物も三物も与えすぎですよ!」と直訴しに行きたいくらいだった。
もちろん星川周にだって欠点はあるけど、そんなの彼の良いところの数に比べればちっぽけな数に過ぎない。私なんか欠点ばかりだし。
星川周は基本的に誰からも好かれるような人間である。
そして、そんなフィクションの世界に出てきそうな星川周は、
私のたった一人の幼馴染だった。
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