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西暦2030年――
「地球は、[奴等]に狙われている!」
広い講堂――
多くのフラッシュが焚かれる中、白衣を着た少年の透き通った、それでいて力の籠もった声が堂内に響き渡る。
機械工学、物理学、天文学など、幼い頃より様々な分野で偉大な功績を挙げ続けていた若き天才科学者、神童寺博士による突然の発表は、世界を震撼させた。
「[奴等]は、既にこの地球に侵攻しつつあります……我々は、すぐにでも備えるべきです!」
5才にして名門大学院を主席で卒業、8才で教授として教鞭を執りつつ画期的な発明や歴史に残る新発見を繰り返し、今やノーベル賞の常連となった、名前の通り[神童]の称号を恣にする若干14才の少年……壇上で熱弁を振るう若き天才に、メディアが一斉に質問を浴びせる。
――[奴等]は何時攻めてくるのか……
――何か前兆があったのか……
――そも、[奴等]とは……
それらの言葉を遮り、神童寺博士は言葉を紡ぐ。
「ご安心ください。僕は既に、[奴等]に対抗する手段を講じています。
僕のこれまでの研究は、全てのこの日のためにあったと言っても過言ではありません……」
その直後、会場の照明が一瞬だけ全て消え、記者達の前にプロジェクター用のスクリーンがするすると降ろされる。当然、派手な照明演出とBGMははずせない。
「見てください、これが、僕が地球防衛のために設計した、〈機甲巨神〉です!」
記者達は見た。
映し出された〈機甲巨神〉と名付けられた巨大ロボの設計図、そしてCGによる巨神の活躍想像図を……!!
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