それでも私は待っている

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 しかし…… 「あぁ、早く攻めてこないかなぁ……」  恍惚とした無邪気な目で天空に広がる無限の星海を見つめる祖父の姿に、真奈美はどうでも良い気分になってきていた。  真意はどうあれ、実際には人々は神童寺の言葉に耳を傾けることなく、全ては自身の財力を無駄に投じているだけなのだ。  道楽そのものとしか言えない――  結果論ではあるが、神童寺博士は(家族以外の)誰にも迷惑をかけることなく、[夢を追いかけた]だけなのだ。  そんな神童寺を、人々は[狂科学者]と呼ぶことは間違いない。  それは、祖父自身がわかっていることだった。  それでも真奈美は……
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