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リビングでは、父と弟が待っていた。
「おじさん、お久しぶりです。
安井修努です。」
修努が挨拶をすると、父は目を丸くして、固まった。
「お父さん?」
私が声を掛けると、父は我に返ったように言った。
「君は安井さんとこの?」
「はい。
子供の頃、よくお邪魔していた修努です。」
お茶を持ってきた母が、
「とりあえず、座ってお茶でもどうぞ。」
と声を掛けてくれたので、2人で父の向かいのソファーに腰掛けた。
お茶を一口飲んで、修努が言った。
「おじさん、おばさん。僕は15年ぶりに
のどかさんと再会して、一生を共に過ごすのは
彼女しかいないと思っています。
どうか、のどかさんと結婚させてください。」
修努と共に私も頭を下げる。
「まあ、頭を上げて、詳しく聞かせて
もらえないか?
2人はどこで再会して、
どうしてこうなったのか。」
父が言った。
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